2018年11月20日

釣具 分析

チャレンジしたことがひととおり片付いた。

釣具 分析


初めて漫画の原稿持込をしてみた。


釣り漫画「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」をクラウドファンディングで発行。流通させて半年以上になる。

なかなかできる事ではないと驚かれるし、自分でもよくやったなと思う。
何よりも支援いただいた皆様のお気持ちがありがたい。


しかし、実行して半年をすぎての感想は「ページ数の多い同人誌にバーコードを付けて流通させました」という状況でしかないという現実だった。
地味に売れるのだけど、めちゃくちゃ売れるわけでもない。


出した経験から言うと
・本として成り立つだけのオリジナル原稿を書き続けるエネルギー
・200ページ以下300部を作るには最低10万円くらいの資金
があれば、誰にでも本を作って流通させることはできる。
本を出したい!という人は以外にハードルが低いので、挑戦してほしい。


同人誌の印刷所、ネット印刷屋を活用すればかなりコストダウンできるし、ISBNコードや書籍JANもちょっと調べれば誰にでも取得できる。
自分の場合は各500部、カバーつきで出したのでそこそこお金がかかった。


現在の自分に足りないのは、画力とネームバリューだ。
ネームバリューは漫画以外でも発信すれば何とかなるかもしれないが、漫画家としての知名度はほぼない。
ありがたいことに、漫画Seekというサイトに漫画家として登録されていたので、漫画家であることは間違いなさそうなんだけど。


画力。

実は非常にあいまいな概念であり、実はわかるようで、わかりにくい。
絵の上手さは誰が見てもわかるのだけど、人をひきつける要素というのは必ずしも比例しない。
ヘタウマというものがあるように。それも含めて画力なのだろうと自分は考えている。
どんなに上手くても誰も評価してくれなければ、絵に力があるとはいいがたいのではないかなと。


これは「上手い≠好み」の問題がある。画風の流行などもある。
かなり有名作品で面白いと勧められる漫画作品がある。テレビ番組で作品のすばらしさを語っていて「表現すげー!」って思ったのだけど、いまだに手をつけていない。めっちゃ上手いけど、絵が好みじゃないので優先順位としては、あとまわし。

逆に、好きな画風ではないのだけど(※めっちゃ上手い)、キャラクターや物語性、内容が好きで何度も読んでいる作品もある。
一言で「画力」と表されても、実のところパラメーターが非常に多く、一筋縄ではいかない。


自分の場合は、人が見てどうのよりも自分が描いて楽しいかを優先しているので、苦手な人が多いだろう。
そもそも、画力というフワっとしたものが足りていないことははっきりしている。
なので地道に画力を上げること、上げる努力はすべきだろう。

さて、何からやろうか。
実はすぐにできる事は意外にたくさんある。


キャラクターは描いていれば安定してくる。もちろん何も考えずに描いてはダメだけど、工夫して数をこなせば、下手になるということはないと思う。漫画を描き始めて5年ほどになろうとしているが、さすがに最初の頃よりは格段に良くはなっているはず。
「漫画を描きたい」と口で言うだけでは何もならないので、手と頭、時間を使うしかない。


釣具 分析



今回は、何度も見直しや修正を行った。
印刷チェックは6回に渡り、それぞれ紙の束に落書きがされたものになった。さらに1冊、ノートへのネームのなぐり書きがある。

気に入らないコマは書き直したり、できる事はやろうと考えた。
目標が2週間だったけど、修正作業でプラス2日半。
手と時間を使ったので、完全ではないけれど、それなりに不自然さは軽減されたと思う。



描く時には手も頭も使うのだけど、今回は足と金も使った。
現地に足を運びロケハンをする。
写真を撮影する。建物や構造物のスケッチをする。
それを反映させるだけで、雰囲気が出てクオリティが上がる。


ラッキーキャッツはポイントばれを防ぐため架空の町という設定にしたのだけど、その分雑になってしまったところがあった。
現地で見て撮影し、それを絵に生かすのは重要なこと。

また、元エンジニアとしてはトレース(なぞる)も立派な技術だと思っている。
見て描くのは案外楽で、以外にもトレースはアレンジが必要だったりと、実は難しい時もある。
元エンジニアとして「何でこの方法を使わなかったのだろう」と思うようなアイディアも出て、背景柵画の作業短縮にもつながった。



もう一つ、今回の原稿を執筆するにあたっては、結構お金を使った。
プロの世界で考えれば小さな金額なのだろうけど、参考書を2冊。資料として中古リールとルアーを買い求めた。

ラッキーキャッツではリールはほとんど見ずに描いた。今でも竿は見ないで描いている。
竿に関してはブランクにグリップやリールシート、ガイドやワインディングチェックを取り付けて、スレッドで巻いてコーティングしているだけなので、長さや曲がり、ブランクやスレッドの色、ガイドのコンセプトがわかればだいたい描ける。

リールは基本構造が同じなので、同じ感覚でやってしまったのだけど、きちんと見ながら描こうと考えた。
自分がどの程度まで描けているかはわからないけど、「このベールはダイワ!」「このスプールは○○○○の○○モデル」とかわかるレベルまで描ければいいなと。
リールを描くうえで省略してしまっていたのが、ネジ穴。ネジ穴がないとメンテナンスできない。
これは機種によって違うから、重要な特徴になってくる。



自分は基本的にタックルにはそれほど気を使わないし、ルアー(プラグ)は作るものだと思っているので気を使わなかったが、タックル萌えの人は一定数いるし、釣りをしていてタックルにこだわらない人はむしろ少数派のはず。

なので、資料用の道具はしっかりそろえて、描けるだけ描こうと考えた。
ルアーも市販品のものから見繕ってもらい、シチュエーションにマッチしたルアーを登場させた。


とはいえ、ルアーやロッドを作る技術が全く役立たないかというと、そうでもない。
実際のロッドを見て描けばそのまま描かれると思うのだけど、グリップの上には「ワインディングチェック」という、アルミなどでできた小さな金具がある。
この部品は装飾用のもので、釣りをするうえでは無くてもかまわない。むしろ無いほうが軽量化できる。
ただ、グリップを接着するさいの接着剤がブランク(竿本体)の間から漏れ出して見栄えが悪くなってしまうから、コルクやEVAのグリップが付いているルアーロッドなどには普通に付いている。これを省略するか否かで、少しだけ意味合いが違ってきたりする。


キャラクターを重視するのは漫画では普通だと思うけど、釣り漫画を描いていたら魚は重要なキャラクターで、むしろ釣り人的には主役級の存在だと考えている。魚が不在で良いならば、プールで釣りをすれば良いわけで。
助かったのは長く釣りをしていたおかげで、魚は難なく描ける。
知っているはずのタックルをいい加減にしすぎた感があったので、今回はコストをかけてみた。


ミキさんやまぁやさんは、お兄ちゃんのお下がりでダイワをメインに使っているし、山原出身のブナガヤちゃんはお父さんから譲り受けたオールドタックル。藪で使うので極端に短く折れにくいペナペナのグラスファイバーを使っている。
トップをシャカシャカ使う仲西ヘーイさんは、たぶんシマノだろうな。そんな事を考えるのは釣り人としても楽しい。
自分はダイワとオールドリールしかなかったので、今回は初めてシマノのリール2つを資料用として購入した。

釣具 分析



バイオマスターはラインローラーが固着していたので格安で入手できた。持ち帰って分解(固着してるので大変だった)して注油したら、普通に使えるレベルになった。
もちろん使用感も含めて漫画に生かしてみたい。シマノのリールはやはり巻き心地がスムーズで、トップウォーター使いの仲西ヘーイさんには似合うのではないかなと思う。


右も左もわからない初心者はそこまで考えないのかもしれないが、初心者は釣り続ければいつかは中堅、ベテランになる。
知識量が増えると、細かいところが気になるし、細かいところに気を使うだけで、わかる人はニヤリとするのではないだろうか。
そういう期待を込めて、原稿執筆にあたり”投資”することにした。


万年初心者が一番楽しめるとは言われるけど、技術は付いてくる。だからチャレンジすることで、新たな発見が見えてくる。
漫画も同じで、技術を蓄積するだけでは新たな発見は見出せない。



というわけで今回の初持込チャレンジでした。
頑張ったからと言ってそう甘くはないだろうけど、出さないと始まらないし、出すためにできる事はやった。
一応、ここが適切かなというところには出したのだけど、何社か応募してみるかな。


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