2019年04月22日

「釣り禁止明示」を食い止められるか。

ここ数年で、加速的に「釣り禁止」明示の漁港が増えてきた。


「釣り禁止明示」を食い止められるか。

写真:Iさん


恐らく、漁協や行政単位でほぼ決まっている事なのではないだろうか。

看板を立てたからと言っても、悪質な釣り人はそのまま釣りをするのかもしれないが、「釣り禁止」を明示したことにより、法的にどのような効果があるのだろうか?
自分は法律の専門家ではないが、恐らくこういう効果があるのではないか、という推測のもとに考察してみる。


漁港等は公共施設であり、基本的に万人が使える。
たとえば漁港で「港祭り」のようなものを開催することもできる。
また、許可さえもらえれば、イベントの臨時駐車場などとしても活用可能だ。

ただし、公共施設だから誰でも入ってよいわけではない。
たとえば空港は公共施設だが、航空法などにより滑走路内に許可なく入ることはできない。


漁港等においては、根拠となりそうな法律をググってみたものの、これと言って明確なものはなかった。
ただ、警告を積み重ねることで、軽犯罪法等に触れさせることは可能なのかもしれない。

落水や車両との事故や、窃盗などの事件を防止するために、管理者サイドは「関係者以外を立ち入り禁止」にしたい。
禁止にするのがが簡単なのだが、一般の人たちの「親水」の権利も考えてこなければならなかった。
「立ち入り禁止」「市民の親水」をバランスさせるために”黙認”していたのがこれまでだ。


立ち入り禁止看板を立てて、その中で入れば、軽犯罪法違反で検挙できる可能性が出てくる。
県外で事故が多い堤防などでは、「柵」「立ち入り禁止」「釣り禁止」などの看板を設置しているが、それでも進入する釣り人とのいたちごっこが続いている。ニュース番組では検挙される釣り人の様子が報道されることもある。

看板でも警告し、管理者や関係者が注意しても聞かない場合、最終的に警察に通報するための根拠を積み重ねていく。
このような流れだろう。

「釣り禁止」看板の設置による明示も、「釣り目的での漁港利用を認めない」「関係者とみなさない」「警告に従わない場合、警察へ通報する容易がある」という意思表示なのかもしれない。
(いきなり軽犯罪法違反等で検挙するには根拠に乏しいので、警告を重ねるための苦肉の策でもあるかもしれないし、そのような事態に陥る前に釣り人に諦めてもらおうという優しい意図もあるのかもしれない)


「釣り禁止」明示箇所で警察が動いた事例としては、沖縄県内のダム湖がある。
沖縄のダム湖は、一部を散策できるようになっている。
一部ではブラックバス(ラージマウスバス)が生息しているが、もちろん釣り禁止だ。
ところどころ、釣り禁止の看板が立っている。
進入する釣り人に対し、ダム事務所の警告は安全管理等の目的で警告を出すことができ、注意を聞かない場合は、警察へ通報することとなっている。

たびたび警察が出動していたことは、元ダム事務所職員から直接聞いた話なので信憑性が高い。
特に小中学生が補導の対象となっていたそうだ。



相次ぐ漁港等の「釣り禁止」明示には、歯止めが利かないものだろうか。

一度釣り禁止にされたら、解除することは難しいだろうが、出来る事はないか。


釣り禁止の理由で多い理由は
・釣りにまつわる事故
・ゴミの放置
・漁業者や本来の利用者(港湾関係者)への物損等
これ以外にもあるだろうが、主なものはこの3つだと考えられる。

死亡事故は管理者の責任問題となるので、最も嫌がられる。
釣りの死亡事故の主たるものは落水だが、ライフジャケット着用率は未だに低い。

ゴミの放置も、だいぶ減ったがなくならない。
釣り人意外が捨てたとしても、釣りのゴミが混じっていればアウトだ。

勝手に漁業者の財産である船に乗り込んで釣りをするバカもいるというから、目も当てられない。
自分の家や車に勝手に上がり込まれたら、普通は怒る。それがわからない人がいる。


個人的にできる事として、釣りのマナーや安全の啓発を漫画にまとめたり、離島を中心に講師をさせていただいている。
http://tsurico.com/fishingmanners/

友人達や若いアングラーも「今の状況を何かをしないといけない」と考えている人が多く、SNSを通して啓発を行っている。
ただ、焼け石に水の感さえある。


釣りに関する啓発活動は、釣具店、釣具メーカー、日釣振などはもっと本腰を入れて啓発活動をしてほしい。
年数回の一斉清掃くらいでは、まったく歯がたたない。
集まって掃除をするアピールではなく、普段の釣り人の振る舞いをどう改善してゆくのかが本質的な問題なのだから。


釣り仲間や若いアングラーの間では、ライセンス制の導入も必要という声もある。
釣り人が減れば捕獲圧も減るから、ライセンス制となっても釣りする人にはメリットがあるし、私も賛成だ。
ライセンスを取得するには安全やマナー、制限等の知識が得られるし、悪質な者はライセンスを剥奪することもできる。


この記事を見てイラっとした釣具関係者もいるかもしれないが、規制されて困るのは釣具の販売で収益を得ている釣具業界ではないのだろうか。
釣りという趣味が今のように広く楽しめる状況が続くためには、業界一丸となって、釣りに関するルールの点検や、安全管理やマナーの啓発に力を入れる必要がある。
我々エンドユーザーが業界よりも力を入れる事ではないはず。


とはいえ、グチをこぼしたところで何の解決にもならないから、自分なりにできる事をやろうと考えている。


現代の釣り人に影響力があるのは、youtuberの存在ではないだろうか。
沖縄のyoutuberが集まり、何らかの啓発活動を行うことはできないか。
最近はそんな事を画策している。

(だからと言って釣り業界の影響力がないわけでもなく、胡坐をかいて良いということではないけどね。)


詳細は新サイト「南国釣りコ」でどうぞ。
http://tsurico.com/

「釣り禁止明示」を食い止められるか。


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Posted by モソの中の人 at 14:44 │海歩っちゃー