2020年11月04日

沖縄の釣りの本の出版:最強の沖縄ルアーフィッシング解説本を目指して

パイロット版(試作品)として「図解と写真でわかる沖縄のルアーフィッシング陸っぱり編」を発行し一息。

沖縄の釣りの本の出版:最強の沖縄ルアーフィッシング解説本を目指して



今度は量産版に向けての作業を…。
ちょっと長文。

そもそも、本にこだわる必要があるのか。
紙の本はオワコン(終わったコンテンツ)であるという人もいるが、自分は逆だと思っている。

ルアー釣りを始め、WEBを使って情報発信をするようになった頃。まだ沖縄に釣りのホームページは10個もなかった。
当時はホームページビルダーを使ってHTML形式のサイトだった。
(HTMLは軽いしソフトを使えば簡単に更新できるので、個人的には使いようはあると思っている)

その数年後、てぃーだブログが生まれた。自分もてぃーだブログやその他のブログサイトを運営するようになった。
ブログの登場により、特別な技術やソフトなしに誰にでも情報発信ができる時代となったが、今ではSNSやYoutubeなどが情報発信の主力となっている。

WEBの世界は発達が早い。
20年前、スマホが登場するなど多くの人が思ってもいなかった。
10年後はyoutubeにとってかわる新しいサービスが生まれているかもしれない。

技術が発達するということは、古い情報は技術に埋もれて見えなくなってしまうということでもある。
最新の技術を使って情報発信することは強みにもなるが、一過性のものとして終わってしまう弱点もある。

印刷本は戦争や大規模災害がない限り、同じ形で残せる可能性がある。
デザインや言い回しなどは時代の変化で古臭くなってしまうこともあるかもしれないが、WEBと違い、同じ形で情報が長く残る。
描いている本はこの後20年、30年経っても「ルアー釣りをするならこの本を読め」と言われるような内容を目指した(つもり)。
元データを時代に合わせた電子書籍の形式で発行すれば、デジタル化もできる。


「本を発行する」というのは難しいようでパソコン(word等)が一定程度使えれば以外と簡単で、思った以上に安く発行できる。
ただし、広く流通させようと思うと、それなりに専門的な技術を使ったり営業をかけたりするか、出版社にお願いするしかない。

個人で本を出す方法としては「自費出版」が頭に浮かぶが、自費出版とは出版社に原稿と出版費用を持ち込んでお願いする方法だ。出版社はリスク0で出版できるが、その分著者の費用負担は大きい。
決して安くはない。それなりに作るなら100万円前後。

その代わり、流通に必要なバーコード(ISBN/書籍JAN)や表紙デザイン、校正(文章のチェック)などをやってくれる。
きちんとした本の形、流通の形を保ってくれるという利点があるのだ。
ヒットして重版がかかれば利益が出るが、そうでなければ負担を回収できるかどうか、という感じでもある。
コスト面で考えると著者はリスクを負うことになるが、「本を出した」という拍や満足感を得るには良い方法だと思う。

もっと手軽な出版方法は、いわゆる「同人誌」だ。
今ではアニメやゲームのキャラを使ったエロ本というイメージが強いが(笑)、本来の同人誌は「好きな本を好きなように作る」という意味で、出版社を通さずに直接印刷所に願いして発行する。
書きたいテーマを描くので、ある意味自費出版に似るが印刷所に直接持ち込みするので安くできる。

流通性はあまり考えず同人誌即売会や専門店、個人通販(pixivなどを使ったりもする)で販売する。
近年デビューする美味い漫画家の多くがエロ同人を経験しているので、ある意味漫画家の登竜門かもしれない。
水着を描くのは正直楽しすぎるので、俺もエロ描いておけばよかったかもしれない(笑)

校正などの手が入らないので、製品としてのクオリティーは一般的に下がりがちだ。
本に関してはいろんな人の手が入っているほうが、確実にクオリティーは上がる。
10月に発行したパイロット版は分厚い同人誌という位置づけだが、発行後に誤字脱字も多く見つかった…
本文は15回以上見直ししたが、それでも誤字脱字が見つかる。
個人的には校正の作業がいちばんしんどい。


「商業出版」という出版社がすべての費用を持つスタイルもあるが、著名人でない限り本の商業出版は難しい。
雑誌に連載されている漫画は、持ち込みや漫画賞、スカウトなどで採用される商業出版だが、文章主体の本は漫画と違い読むのに時間がかかるので、出版社に持ち込みしても誰も取り合ってくれない。
小説家になりたいなら、小説家になろう(なろう)やノベルアップ+などのサイトや小説の賞などに応募し、書いて名をあげるしかないだろう。


さて、今回書いている本も、以前描いた釣り漫画「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」はどちらに該当するのか。
人によってはバーコードが付いているから商業だという人もいれば、個人で出しているだけなので同人誌という人もいる。
自分的にはバーコード付き同人誌というか、ミニ出版社という立ち位置だと思っている。
一般的な出版社がやっていることを、すべて自前でやってしまうわけだ。
ちなみに、ISBN/書籍JANコードは初期投資4万円ほどで取得できる。

本を書こうと思う人はそれなりに文章を書ける人だと思うが、文章は書けても絵は描けないという人のほうが圧倒的に多い。
自分の場合は元々絵も好きだったが、地元の釣り雑誌でライターを経験していたので、どちらかといえば文章のほうが得意なのかもしれない。
それが30過ぎてから漫画を描き始めて、漫画を先に発行することになってしまった。

下手なりに500ページも描き続けていれば、嫌でも技術が付く。
培った作画作業の技術は本の発行でおおいに役立ったと思う。
絵が描けない人は文章のみで読ませる工夫をするか、出版社に依頼する。
「ココナラ」などで挿絵を描く人を募集することもできるし、管理しているサイト「しまこみ」でも、挿絵や表紙を描く漫画家さんやデザイナーさんを案内できる。

今回の量産版の出版にあたり、釣り友達のデザイナーさんにカバーまわりのデザインをお願いした。
イラストが描けるからロゴなどのデザインができるかというと、それはまた別の話。
漫画だって表紙のイラストは漫画家が描くが、ロゴは出版社のデザイナーが作っている場合がほとんどだ。
予算が許す限りプロにお願いする。これが一番だと思う。

自前ですべてやるといっても、本作りばかりではない。
書店(実際には配本業者)との調整、営業活動、WEB等でのプロモーションなどを行わないといけない。
文章が書ける、イラストが描けるというのはまた別の技術が必要になる。
これがまた難しい。
とはいえ、自営業をしている人なら当たり前のことなんだけど。

簡単なことは自分ですべてやってしまおうと考え、今更ながらイラストレーター(イラレ)を導入した。
配本業者さんの話では、チラシ(フライヤー)があると売り込みやすいという話を聞いたためだ。
イラレはめちゃくちゃ高いソフトだが月額払いもできるようになった。
そう考えるとそんなに高い投資ではないので、出来ることはすべてやってみることにした。
イラレと格闘してフライヤーを作り、今後の流通に備える。

資金力があるわけではないが、WEBを使ったプロモーションもできるだけ行う。
このブログの記事も、考えていることを日記にしたためるだけではなく、一種のプロモーションみたいな側面もある。
今後はSNSの有料広告も使ってみようと思う。
また、メインのサイトの改修も行った。wordpressはブログサイトでもあるので更新は難しくないうえ色々とメリットが大きいが、各種の改修をするにはそれなりの知識が必要になる。だんだんコツがわかってきたので楽しい。

めんどくさい人はWEBサイトの立ち上げを業者にお願いしたほうが良いかもしれないが、サイトの型枠を作っても埋めるのは自分自身でしかない。本を出そうと思っている人は文章を書ける人だと思うので、その点心配はないかもしれないが…。
ブログくらいは立ち上げて定期的に更新していたほうが良いと思う。

サイトでもSEOやら色々やってみるのだけど、何よりもコンテンツが充実していることが大事だと思っている。
今回は本を売りたいわけなので、本の内容も充実していることが重要だ。
沖縄には多くの釣りの本があるが、単なる釣り方や釣具、ポイントのカタログのような内容にはしたくなかった。
それぞれの魚にスポットを充てて、その魚を観察してわかったことや経験を詰め込んだ本にしたかった。


パイロット版を読んでいただいた読者の皆さんからは、嬉しい感想をいただいている。
よく言われるのは、この本は沖縄の釣りの教科書であるという。
釣り人はもちろんのこと、安全管理や生態系の話にも触れているので、読んでいただいた環境省や海上保安庁の方にも好評だった。


自分が今欲しいのは、商業出版に関わったという実績なのだが(漫画の売り込みで有利になるため)、個人出版でそれなりの数を売ってしまえばそれも武器になるだろうと考えたし、出版社の取り分が自分の懐に入るわけだから、それはそれで美味しい(笑)
というわけで皆さん、量産版が発行されたら買ってください。
パイロット版は少量ではありますが売ってます。

量産版は12月の発売を目指し作業を進めています。
詳細はこちらhttp://tsurico.com/okinawalurebook/








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Posted by モソの中の人 at 07:58 │釣り雑誌・本の執筆